知っ得!廃車・車の知恵袋

自動車税を滞納しても廃車は可能?手続きや支払い困難な場合の対応とは 2021.02.04


自動車を保有している場合、自動車税を納める必要があります。しかし、自動車税を滞納し続けた場合、車を廃車にできるのでしょうか。本記事では、滞納しても廃車を進められるのかを解説しています。また、どのような手続きをするのか、支払えない場合の対応も知っておきましょう。

 

■自動車税を滞納しても廃車にできるのか

自動車税の基礎知識をみていきましょう。

  • 賦課が確定する…4月1日
  • 請求書の送付…5月頃
  • 納期…5月末まで
  • 納税額…排気量によって変わる

 

納税額は平均的な排気量の1.5リットル~2.0リットルで36,000円です。請求書送付から期日まで期間が短いため「お金を用意できず滞納してしまった」「現在は車に乗っていないから忘れていた」など、さまざまな状況で滞納することもあるでしょう。

 

滞納してしまった場合、期間によっては廃車できなくなります。詳しい期間については以下で解説していきます。

 

1年を経過していない場合

未納分が1年未満である場合は、通常の廃車と同様に手続きできます。しかし、未納分の支払い義務が消滅するわけではありません。未納分の税金は必ず納めましょう。

 

2年以上の滞納は嘱託保存となる

未納期間が2年を超えてしまった場合、廃車できません。2年経過した時点で税務署が車を差し押さえた「嘱託保存」になるからです。その場合、未納分を先に納めなければなりません。

 

車検切れから3年以上

車検が切れてから3年以上車を放置していた場合は廃車にできません。車検の際に自動車納税付証明書を提出しなくてはならず、納税をしていなければ車検を通せないからです。

 

車検切れから3年経つと、「この車に乗る人はもういない」と判断され、事実上の廃車になります。なお、税金を納める義務は残るため、支払いは行いましょう。

 

■滞納した状態で廃車にする場合の手続き

 

 

「税金を滞納しているが、廃車にしたい」と考える人向けに、詳しい手順を解説します。未納期間によって手法は変わるため、事前の確認が重要です。

 

1年未満

税金の未納が1年未満である場合、通常通りの廃車が可能です。未納分の税金は廃車後であっても支払えるため、忘れないように税金を納めましょう。

 

嘱託保存

嘱託保存となっている場合は、廃車手続きを進められません。まずは税務署へ行き、未納分の税金を納めてください。未納分の税金を一括で支払えない場合は、分割での支払いも可能です。分割で支払った場合、すべて払い終えるまでは嘱託保存は解除されません。

 

嘱託保存になると手間が増え、自分で手続きをやり遂げられない人も出てきてしまいます。しかし、納税できない期間が長引けばその分払うべき税金が増えるだけです。困難な場合は、専門業者に依頼する方法もあります。

 

職権抹消状態

車検切れから3年経過すると職権抹消となるため、事実上の廃車となります。しかし、今後も車に乗りたい場合は、手続きが大変になります。

 

その理由として、職権抹消からの回復方法はありません。どうしても職権抹消された車に乗りたい場合は、未納分をすべて支払った上で、運輸局に対して「職権抹消された車に再び乗りたい」と相談するしかありません。

 

運輸局に車のデータがないなど、職権抹消を解消できない場合もあります。廃車扱いの車を再び運転するのは手間がかかるといえるでしょう。

 

■一括払いが難しい場合の対応

 

 

自動車税の支払いは義務です。しかし、どうしても一括で納められない方もいます。放置してしまうと、延滞税が課税されたり、財産の差し押さえにあったりなど状況がさらに悪化します。

 

自動車税事務所に相談する

納付期限が近づいてきても、一括で納められないケースもあるでしょう。その場合は、自動車税事務所に相談してください。事務所の所在地や連絡先は、自動車税の請求書に記載されています。請求書が届いたら、なるべく早く相談することを意識しましょう。

 

事務所によって分割払いの回数は違うものの、理由を述べれば対応してくれます。一括払いの支払い期限を過ぎてしまうと分割払いを断られる場合もある点に注意が必要です。

 

自動車の売却

税金を納められない財政状況の場合は、車の売却も1つの方法です。車を使用したい場合は、レンタカーやカーシェアリングなどの方法もあります。無理せず、財政状況を振り返って車を手放すかどうかも検討することが大切です。

 

■滞納は財産の差し押さえにつながってしまう

税金を滞納し続けると財産差し押さえにつながります。財産とは、車・銀行口座・給与などです。督促状を無視し続けると「差押通知書」が届きます。その後「差押調書(謄本)」で差し押さえの日時や差し押さえの対象などが知らされます。

 

自動車税の時効は5年であるため、5年無視し続ければ払わなくても良いと考えがちです。しかし時効である5年は「最後に督促状が届いてから」となっています。そのため、督促状が届く限りは時効になりません。

 

自動車税の支払いは、車を所持する人にとっては義務です。滞納し続けると、財産が差し押さえられます。どうしても支払えない場合は、車を売りに出す選択肢も検討しましょう。

 

 

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