知っ得!廃車・車の知恵袋

知らないと余計な出費も!?難しい廃車手続きをシンプルに解説|手間と費用を削減する方法 2019.04.26

廃車

「事故に遭って車が廃車になった」「もう古いから車検を通さずに廃車にする」車を運転している人であれば、このようなセリフを一度は聞いたことがあるのではないでしょうか?ここで気をつけたいのが「廃車」の意味です。“正しい廃車手続き”を行わないと、余計なお金が掛かるかもしれません。


1.廃車手続き【基礎編】

廃車手続きの正しい意味と内容を知り、無駄な時間と費用をかけないようにしたいですね。


1-1.廃車とは?間違うと無駄な自動車税を払う必要も

廃車とは、実は単に車を処分することが廃車ではありません。解体処分した上で、自動車の「抹消登録」という手続きを正しく行って初めて正式に「廃車」となります。抹消登録手続き、いわゆる廃車手続きは、道路運送車両法の第15条・第16条に定められた行為です。

つまり自動車を解体して処分しても、抹消登録手続きをしていなければ、法律上は車が存在することになり、自動車税などが掛かり続けることになります。


1-2.廃車の種類

廃車は、廃車の理由や状況に応じて、以下の3種類に分けられます。なお、普通自動車と軽自動車は法律上の取り扱いが異なるため、似たような処理でも名称が違います。

  • 永久抹消登録(軽自動車の場合:解体返納)
  • 一時抹消登録(軽自動車の場合:一時使用中止)
  • 輸出抹消登録

「輸出抹消登録」は、車を国外に輸出する際に必要な手続きです。本記事では、廃車手続きとして最も身近である「永久抹消登録」について解説します。


2.廃車手続き【実践編】

廃車手続きと言っても、普通自動車の永久抹消登録と軽自動車の解体返納とではやり方が異なるので、分けて解説します。

 2-1.普通自動車の廃車手続き

2-1-1.車の解体

最初に必要なのは普通自動車の解体です。解体業者を探して頼みましょう。解体の際にナンバープレートを取り外しますが、廃車手続きの際に必ず必要になるので、保管しておきます。

 

解体後、解体業者から「解体報告記録日」「使用済自動車引取証明書」を受け取ってください。この2つも廃車手続きに必要な物です。

なお解体業者や輸送距離によって異なりますが、一般的に解体費用1〜2万円、輸送費用5千円〜1万円、リサイクル費用1〜2万円で、合計2万5千円〜5万円くらいの費用が掛かります。

2-1-2.書類等を揃える

普通自動車の廃車手続きは、自分が住んでいる地域を管轄する陸運局・運輸支局で行わなければなりません。必要な書類が多いので、不足なく揃えましょう。

普通自動車の永久抹消登録に必要な書類等一覧

  1. ナンバープレート(前後2枚)
  2. 自動車検査証(車検証)
  3. 自賠責保険証明書(車検切れの場合は不要)
  4. 「解体報告記録日」「使用済自動車引取証明書(リサイクル券)」
  5. 車の所有者の印鑑証明書(3ヵ月以内のもの)
  6. 車の所有者の実印
  7. 身分証明書

 

車の所有者以外が廃車手続きを行う場合は、所有者の実印押印のある専用の「委任状」が必要です。所有者の氏名や住所が車検証に書かれているものと違う場合は、戸籍謄本や戸籍の附票、住民票などの提出が必要になります。

 

ローンの支払いが済んでいない車の場合は、車の所有者はローン会社やディーラー等になっているので、問い合わせて委任状や印鑑証明書、譲渡証明書等を用意してもらう必要があります。取り寄せるまでには1週間程度かかるので、早めに連絡しましょう。

一部の書類等を紛失している場合は特別な手続きが必要であったり、地域によって必要書類が違うケースがあるので、あらかじめ管轄の陸運局・運輸支局に電話等で確認することをオススメします。

また、車検まで1か月以上残っている車を処分する場合は、重量税の還付を受けられます。その場合は以下の書類なども合わせて用意してください。

  • 車所有者のマイナンバー
  • 還付金を受け取るための銀行口座情報 

2-1-3.書類等を持って陸運局・運輸支局に行く

まず陸運局・運輸支局で手続きできる時間は限られているので、スケジューリングが肝心です。ほとんどの陸運局・運輸支局が以下の時間で手続きを受け付けています。

 

土・日・祝日・12月29日から1月3日を除く
平日8:45~11:45、13:00~16:00


受付終了時間間際や3月はとても混雑します。場合によっては早めに受付が締め切られることもあるので、事前に陸運局・運輸支局に受付時間を確認の上、早めに行きましょう。

陸運局・運輸支局ではまず、下記の用紙をもらいます。

  • OCR申請書(第3号様式の3)
  • 手数料納付書
  • 自動車税・自動車取得税申告書(地域による)

職員さんや記入例に習って、車検証や書類等を見ながらOCR申請書(第3号様式の3)に必要事項を書きます。書類の提出、ナンバープレートの返納をし、記入の間違いなどがなければ廃車手続きの終了です。車検まで1か月以上残っている車を廃車にする場合は、重量税還付が受けられるので、「自動車重量税還付申請書付表1」を受け取りましょう。


なお、自動車重量税の還付金は「納付した自動車重量税額×車検残存期間÷車検有効期間の計算式で求められます。例えば、納付した自動車重量税額が24,600円、2年車検の場合の還付金は、国税庁のホームページによると以下の通りです。

 

還付金 = 24,600円 × 5ヵ月 ÷ 24ヵ月(2年車検)= 5,125円


納付した自動車重量税額は自動車検査証で確認することができます。


書類は複雑で、提出先窓口も様々あるので、慣れていないと手間取ります。余裕を持つなら2時間くらいは時間を取っておきたいですね。書類は間違えても職員さんの指示通りに やり直せば問題ないので、その点は心配しなくても大丈夫です。

2-1-4.普通自動車の廃車手続きにかかる費用を減らす方法

状況にもよるので一概には言えないものの、解体から必要書類を揃えるのに1〜2週間程度、陸運局・運輸支局での手続き当日に2時間程度の時間が必要です。

費用として、解体費用1〜2万円、輸送費用5千円〜1万円、リサイクル費用1〜2万円で、合計2万5千円〜5万円くらいと言ったところでしょう。

ただし、解体業者によっては車の使える部分を買い取ってくれるところもあります。また車検までの期間が長ければ重量税の還付、4月以降の廃車の場合、月割りされた自動車税の還付があります。

最も手間とコストを減らす方法は、廃車でも買取を行ってくれる業者に依頼することです。たとえ高価な買取価格はつかなくても、解体業者に支払う金額を考えたら 大きなコストカットになるでしょう。

また廃車手続きを代行してくれたり、必要なステップを丁寧に教えてくれるので、取られる時間やストレスの軽減効果は絶大です。買取業者に依頼する場合は、買取価格だけでなく、廃車手続きの代行サービスやフォロー体制をぜひ確認してください。

2-2.軽自動車の廃車手続き

2-2-1.軽自動車の解体

廃車手続きの前に軽自動車の解体(スクラップ)が必要です。解体の際に取り外したナンバープレート、解体業者からもらう「使用済自動車引取証明書(リサイクル券番号、移動報告番号)」は廃車手続き必要になので、大切に保管しておきます。

なお解体業者や輸送距離によって異なりますが、一般的に解体費用1〜2万円、輸送費用5千円〜1万円、リサイクル費用約8千円で、合計2万3千円〜4万円くらいの費用が掛かります。

2-2-2.書類等を揃える

軽自動車の廃車手続きは、自分が住んでいる地域を管轄する軽自動車検査協会・支所で行います。状況によっては特別な書類が必要なケースもあるので、事前に必要なものを協会に確認した上で揃えることをオススメします。

軽自動車の永久抹消登録に必要な書類等一覧

  1. ナンバープレート(前後2枚)
  2. 自動車検査証(車検証)
  3. 使用済自動車引取証明書(リサイクル券番号、移動報告番号)
  4. 軽自動車所有者の印鑑(認印で構いません)
  5. 軽自動車使用者の印鑑(認印で構いません)

代理人が廃車手続きを行う場合は、これらの書類等に加えて、所有者の印鑑証明印(実印)の押印がなされた「委任状」が必要です。

所有者の氏名や住所が車検証に書かれているものと違う場合は、戸籍謄本や戸籍の附票、住民票などの提出が必要です。どの書類が必要かは事前に軽自動車検査協会に問い合わせて確認しておきましょう。

2-2-3.書類等を持って軽自動車検査協会・支所に行く

軽自動車の廃車手続きは、平日の昼間に時間を作らなくてはなりません。軽自動車検査協会・支所は以下の時間で手続きを受け付けています。

土・日・祝日・12月29日から1月3日を除く
平日8:45~11:45、13:00~16:00


受付終了時間間際はとても混雑するので、ギリギリに行くのは避けましょう。また、3月はとても混雑します。

軽自動車検査協会・支所ではまず、下記の用紙をもらいましょう。

  • 解体届出書(軽第4号様式の3)
  • 軽自動車税申告書

解体届出書(軽第4号様式の3)は、軽自動車検査協会のホームページから事前にダウンロードして行くこともできますが、用紙のサイズや色の設定などに細かな注意が必要なため、軽自動車検査協会・支所に行き、もらった方が良いでしょう。

>>解体届出書(軽第4号様式の3)のダウンロードは以下のページから可能です。
https://www.keikenkyo.or.jp/procedures/procedures_001227.html


職員さんの指示や記入例に従い、車検証や書類等を見ながら解体届出書(軽第4号様式の3)と軽自動車税申告書に記入します。

書類の提出、ナンバープレートの返納をし、記入の間違いなどがなければ、軽自動車の廃車手続きは終了です。慣れていないと手間取るので、1〜2時間は余裕を持っておきたいところです。

また、車検まで1か月以上残っている軽自動車を廃車にする場合は、自動車重量税還付が受けられるので、手続きをして「自動車重量税還付申請書付表1」を受け取ってください。税金の還付には、以下のものが必要です。

  • 個人番号カード(マイナンバーカード)もしくは通知カード
  • 運転免許証(身分証明証)
  • 還付金を受け取るための銀行口座情報

代理人が行う場合は、「申請依頼書」、軽自動車所有者の個人番号カード(マイナンバーカード)もしくは通知カードの写し、代理人の身分証明証が必要になります。

なお、自動車重量税の還付金は「納付した自動車重量税額×車検残存期間÷車検有効期間の計算式で求められます。例えば、納付した自動車重量税額が24,600円、2年車検の場合の還付金は、国税庁のホームページによると以下の通りです。

還付金 = 24,600円 × 5ヵ月 ÷ 24ヵ月(2年車検)= 5,125円

納付した自動車重量税額は自動車検査証で確認することができます。

2-2-4.軽自動車の廃車手続きにかかる費用を減らす方法

軽自動車の解体から必要書類を揃え、全ての廃車手続きまで終えるのに最低でも1〜2週間は時間に余裕を持ちたいところです。さらに軽自動車検査協会・支所での手続き当日に2時間程度の時間を確保しておく必要があります。

費用としては、解体費用1〜2万円、輸送費用5千円〜1万円、リサイクル費用約8千円で、合計2万3千円〜4万円くらいを見積もっておけば良いでしょう。

手間とコストを減らしたいのであれば、廃車でも買取をしてくれる業者に依頼するのがオススメです。車自体に値がつかなくても、本来掛かるはずだった2万3千円〜4万円が掛からなくなると思えば御の字ではないでしょうか。

金額以上のメリットは、廃車手続きの代行サービスです。自分一人でやると不足したり、間違ったりしがちな書類も丁寧に教えてくれるので、精神的なストレスもとても減ります。もし買取業者に依頼する場合は、買取価格だけでなく、廃車手続きの代行サービスやフォロー体制をチェックするようにしてください。

3.廃車手続き【番外編】

車の廃車手続きには費用や手間が掛かりますが、事故車や動かない車、査定がつかない車だと、なおのこと大変です。解体業者までの輸送費用も嵩む上に、使える部品なども少ないため、普通の廃車よりもお金が掛かる可能性が高いと言えます。

このようなケースでも買取業者をうまく使うことで、費用を最小限に抑えることができるかもしれません。最近では、独自の輸出ルートや解体技術を持った買取業者もあり、事故車や動かない車、普通なら査定がつかない車でも状態が良ければ買取価格をつけて引き取ってくれるところがあります。

事故車だから…動かないから…古いから…と諦める前に、買取業者に問い合わせてみてください。電話やメールをする手間はかかりますが、廃車費用や廃車手続きに掛かる手間に比べたら、ほんの一瞬です。

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