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車の構造変更とは?必要な書類や改造に適したタイミングを解説 2020.09.30
車に改造を施した場合、改造のレベルによっては、構造変更の検査を受け、保安基準に適しているか確認が必要です。しかし、違法となるパーツもあるため、改造には一定の注意が必要です。今回は、構造変更の概要にふれたうえで、必要な書類や改造に適したタイミング、改造する際の注意点をみていきましょう。
■構造変更の概要
ここでは車の改造をしたときに必要となる場合のある「構造変更」とは何かについて説明していきます。
構造変更とは何か
車の構造変更とは、正確には「構造等変更検査」のことを指します。車に改造を施した場合に、安全な基準を遵守しているかをチェックする手続きのことです。改造が車の各部に影響を及ぼし、故障や事故を起こす要因となるケースがあるため、構造変更の検査を受けることで走行しても問題ないか確認する役割を担っています。
構造変化が必要となる条件
構造変更を行うのは、以下のような改造を行った場合です。
・ 外寸の変更:車の長さや高さが4㎝以上、幅が2㎝以上変わる改造
・ 乗車定員の変更:荷物の積載量を増やすために8人乗りの車両のリアシートを撤去
・ 形状の変更:キャンピングカーに変更など車検証の形状の変更を行った場合
・ 排気量の変更:ボアアップやエンジン載せ替えなどによる排気量の増大
構造変更は新しく車検を受け直すことを意味し、手続きを行わなければ違法となります。
仮に検挙された場合には、以下の対応が必要です。
・ 該当の違法改造した部分を15日以内に原状復帰する
・ 陸運支局で改善確認検査を受けなければならなくなる
この手続きを行わない場合、車検証とナンバープレートが没収されます。また、合格した場合には、車検証の形式欄に改が記され、車検の残り期間は消滅する点を把握しておきましょう。
軽微な改造であれば記載変更で済ませられる
改造を行っていても、外寸や重量などの変化が基準の範囲内で、該当部分を恒久的に取り付けていなければ、改造しても記載変更のみで許可されるパターンもあります。記載変更の場合は、構造変更とは異なり、車検の残期間が抹消されません。
■構造変更の手続きについて
構造変更の必要書類や手続きの方法について解説していきます。
・必要な書類
構造変更の申請は、使用の本拠の位置を管轄している陸運支局や自動車検査登録事務所で実施します。その際に、必要となる書類は以下の通りです。
・ 車検証
・ 点検整備記録簿
・ 車税証明書
・ 自賠責保険の証明書
・ 自動車検査票
・ 使用者の委任状(認印押印)
・ 所有者の委任状(認印押印)
・ 申請書
・ 手数料納付書
・ 自動車重量税納付書
こうした書類の他に、改造パーツの車検対応証明書などの書類があるとスムーズに手続きを行えます。
・手続きの仕方
構造変更申請の手続きは、以下のように書類審査と実車検査の2段階に分かれているのが特徴です。
分類
検査内容
期間
書類審査
必要書類の準備と記入漏れのチェック。合格の場合、改造自動車等審査結果通知書が交付される
約1週間~10日程度
実車検査
通知書と指定された書類を持参し、車検を実施する。
1日で終了することが殆ど
実車検査を受ける場合、予約が必要です。予約した当日に該当車を持ち込み、検査を受けたうえで問題がない場合、新たな車検証が交付されて手続きが完了します。
検査時に問題が見つかるなど車検に通らなかった場合は、再度検査を受ける必要があります。検査日から2週間以内であれば不合格部分のみを検査、2週間を超えた場合、はじめから各項目の点検が実施されるため、再検査は早めに受けましょう。また、即日で手続きを完了できないため、余裕を持って申請を行うことをおすすめします。
・料金
構造等変更検査にかかる手数料、車検の継続検査にかかる費用は以下の通りです。
車両の種類
構造変更の検査手数料
車検の継続審査の費用
小型車
2,000円
1,700円
小型車以外
2,100円
1,800円
自分での手続きが難しい場合は業者への依頼も可能です。しかし、業者に依頼した場合、3万円程度の費用がかかります。
■構造変更は車検前に行う必要がある
ここでは車検前に構造変更をした方がいい理由やベストなタイミングについて説明していきます。
・構造変更をすると車検の残り期間が抹消
構造変更を行う際には、車検について意識する必要があります。構造変更をすると車検の残り期間が消失します。費用面にも影響があるため、車検の満了日近くに構造変更を受けましょう。
・自動車の改造を行うのに適したタイミング
自動車の改造は、車検前がベストなタイミングです。具体的に言えば、構造変更の申請から審査結果の連絡までは10日程度かかります。結果を待つ間に車検が切れるリスクを考慮すると、15日前程度が車の改造を行うのに適した時期です。
■構造変更の注意点
構造変更を行うことで、安全基準の範囲内で自分の好きなように車をカスタマイズでき、カスタマイズの結果によっては、重量が変わり税金が安くなることがあります。
しかし、リフトアップなどの改造で重量が増加した場合、支払う税金が増える可能性があります。さらに排気量が変化した場合には、任意保険の保険料が上がる可能性があることも把握しておきましょう。
また、オーバーフェンダーなどを取り付け、駐車場に入る大きさでなくなった場合、ディーラーや普通の車検工場で車検をしてもらえない可能性もゼロではありません。
構造変更の基準を満たさない改造は違法です。それに加えて、改造できるパーツであっても保安基準を満たしていない場合には車検に通りません。構造変更を行う場合は、どの程度のパーツであれば基準以内なのかを把握したうえで、改造を行うことをおすすめします。